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Jazz Word あ行

Jazz Word
【ア】
アヴァンギャルド avantgardc
フランス語。もともとは軍隊の前衛に配置された戦闘部隊を指した言葉で、これが、第一次世界大戦前後にヨーロッパに起こった芸術上の革新運動(主に抽象主義とシュールレアリスム)に対する名称に用いられるようになり、転じて「表現・手法・芸術観の急激な変革を求める芸術精神」を指すようになった。ジャズは革新的な表現方法を優先して発達したので、常にアヴァンギャルドだったといってもいいが、それを一般化するサイクルが非常に速いのも特徴的。

アカペラ a cappella
伴奏なしで合唱や独唱をすること。音程が完壁にとれることはいうまでもなく、声のニュアンスといった“表現者の個性”がそのまま出てしまうために、ヴォーカルのなかでも難易度が高いとされる。メロディ部分を歌うだけのものが多いが、ジャズの場合はさらに差別化するため、スキャットなどの器楽演奏的な歌唱を織り交ぜたりする。「教会音楽風に(according to chapel)」のイタリア語の略が語源。

アコースティック acoustic
「聴覚の」「音響の」という意味が転じて、電気的な音響装置をもたない楽器(あるいはその音色)に用いられる。さらに、音楽全般では、透明感や奥行き、あるいは分離感のあるサウンドを表現する際の修飾語としても使われる。

アシッドジャズ asid jazz
1980年代のイギリスを発信地とするムーヴメントがもとになったジャズのスタイル。当時の若者のダンス文化で好んで取り上げられた、1960年代のアメリカン・ソウルジャズや1970年代のジャズファンクのレコードがレア・グルーヴとして注目され、これに倣った音楽がライヴで演奏されるようになったもの。「アシッド」白体は合成麻薬LSDを指す俗語で、1960年代の米サンフランシスコを震源として世界へ広がったフラワームーヴメントのひとつである「LSD体験のような音楽」に用いられたのが最初。

アタマ
曲の前奏(イントロ、イントロダクション)を指すミュージシャン用語。

アドリブ ad lib
音楽記号ad libitum(曲の発想や速度の決定・変更、ある声部や楽器のパートの変更・省略、演奏様式の決定などを演奏者の自由に任せるという標示。ラテン語)を省略したもの。ジャズでは、一定のコード進行やテーマに基づいて、演奏者が即興的に行なう演奏を指す。インプロヴィゼーションとほぼ同意。普通は曲のテーマのコード・ブログレッションを用いて即興的にメロディー・ラインを作りながら演奏すること。クラシックの即興ヴァリエーションと共通した点もあるが、リズム・セクションをバックにサックスが何コーラスもアドリブをするという場面などはジャズ独特のものであり、ごく特殊なものを除いてはアドリブのないジャズは考えられない。
最近では曲の構成に対する考え方が従来とは変ったものもあって、曲のコード・プログレッション、小節数などに関係なく独立したアドリブ部分を置く編曲も見られる。

アレンジ arrange
「並べること」「配列すること」が転じて、編曲や脚色の意に用いる。曲の楽器編成や楽譜構成を書き改めることによって、表境者の意図に適したものにしようとする行為。
【イ】
イースト・コースト・ジャズ east coast jazz
ウエスト.コースト・ジャズに対応してできた呼び名で、1954年から数年間、ニューヨークなどの主に黒人のグループが演奏したモダン・ジャズを指す。非常に多くのプレイヤーがこの範礒に属するが、クリフォード・ブラウンソニー・ロリンズを含んだマックス・ローチ・クインテットはその代表的なものであった。

イディオム idiom
「慣用句」「熟語」のほか「(芸術家などの)個性的表現形式、作風」の意味をもつ言葉。音楽では特に、作曲の傾向や演奏の表現形式などを指す場合が多い。「ジャズイディオム」という場合には、ジャズに特徴的な形式や流儀を含んでいることを意味する。

インストゥルメンタル instrumental
「複雑で精密な道具」を意味するinstrumentの形容詞で、「楽器演奏の」の意に用いられる。歌唱の入らない、楽器演奏のみによる曲を指すことも多い。「インスト」とも。

インタープレイ interplay
「相互作用」の意が、音楽では「お互いの音を聴いて反応しながらする演奏」の意に用いられる。アドリブやインプロヴィゼーションと同義語だが、相手の存在をより意識している場合に使われる。ビル・エヴァンス(p)スコット・ラファロ(b)あるいはエディ・ゴメス(g)のあたりから言われはじめた語で、それまでのバド・パウエル・トリオオスカー・ピーターソン・トリオなどにおけるピアノとべースの主従関係を解き、互いに影響しながら演奏していくことをいう。もちろん他の楽器間にもひろく使われる。

イントロ intro
イントロダクションintroductionの略。「序説」「物語の導入部」または「音楽の序奏」
「導入部」の意。テーマ部分の一部を用いた変奏曲形式で構成されることが多い。一方で、「前奏曲」の意にも用いられ、主旋律とは別のメロディによって構成されることもある。

インプロヴィゼイション improvisation
即興。即興演奏。「あらかじめ準備していない」を意味するイタリア語が語源。アドリブと殆んど同義に使われることが多いが、1コーラスの単位にこだわることなく自由に即興演奏をするような場合にも使われる。キース・ジャレットのソロ・コンサートなどは好例である。
【ウ】
ヴァース verse
本来は詩、あるいは詩の一節という意味であるが、ポピュラー・ソングでコーラスの前に置かれる部分を指す。小節数は一定でないが16小節ぐらいのものが多い。ジャズの演奏では省略されることのほうが多く、非常に有名なスタンダード曲でもヴァースを殆んど耳にしない場合が多い。

ヴァンプ vamp
コードとリズムによる簡単な伴奏。テーマに入るまでの穴埋め、ソロ演奏を始めるまでのつなぎなどで使われることが多い。

ウェスト・コースト・ジャズ west coast jazz
1950年代中頃にロサンゼルスなど西海岸で白人を中心に演奏されたモダン・ジャズの一種。白人的な軽い乗りと細分化された合理的なコード・プログレッションが特徴である。ショーティ・ロジャース(tp)はこのスタイルで編曲、演奏の両面で活躍した。またハンプトン・ホーズ(p)は黒人であるが、ウェスト・コースト・ジャズ時代に良い演奏をのこしている。

ウォーキング・べース walking bass
フォー・ビートのジャズでべースが分散和音的でなく、音階的な動きを多く用いること。これによってアドリブのラインとの間に対位法的な興味をもたせることができる。レイ・ブラウンポール・チェンバースなどのバックの動きは特にすぐれている。

打ち込み
コンピュータの音楽ソフトなどでっくった演奏や、音楽データの入力行為。
【エ】
SE【エスイー】
効果音。サウンド・エフェクトsound effectの略。
【オ】
オクターブ octave
全音階のなかで決めた基準音から数えて8番目にあたる音。そのときに決めた任意の基準音と同じ音名・階名で呼ばれる。または、この1番目と8番目の音の問、すなわち完全8度の音程を指す。物理的には、完全8度をつくる8音のうち、高いほうは低いほうに対して2倍の周波数をもっている。

オケ orchestra
オーケストラの略。

オフ・ビート off beat
リズムの強部をはずすという意味。またアフター・ビートという語もあって、定常的に2拍4拍を強調するリズムを指す。オフ・ビートはアフター・ビートと全く同じ意味に使われることもある。

音楽の三要素
音楽を構成する基礎要素といわれる三つ。「リズム」「メロディ」「ハーモニー」のこと。ジャズでは、「魂」や「ノリ」がこれらよりも優先されることが、ないとは言いきれない。

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